イルカの動物福祉とは何か?科学的に迫る。
Plos One
(100秒でいうと)
・アメリカの研究者らによって「Towards understanding the welfare of cetaceans in accredited zoos and aquariums」というタイトルで科学誌「PLoS ONE」に鯨類飼育の大規模な動物福祉の研究結果が発表された
・本研究の目的は、飼育下のイルカの福祉に関連するポジティブな要因を特定し、福祉を長期的にモニタリングするためのツールを構築、ケアの継続的な改善の基礎を築く科学的なデータを提供すること
・対象は、Alliance for Marine Mammal Parks and Aquariums (AMMPA) および Association of Zoos & Aquariums (AZA)に加盟している43の施設で飼育されているハンドウイルカ、ミナミハンドウイルカ、シロイルカ、カマイルカであった
・研究の具体的な事項は、①血液など生理的パラメーターの健康標準値の開発、②飼育環境の特性や管理手法と、動物福祉の関係性の調査
・血液検査などの生理的パラメーターについては、「ZooPhysioTrak」というアプリで、個体情報を入力することで個体の状況に合わせた標準値と比較可能なシステムを開発した
・動物福祉指標との関連性については、調査項目として、イルカの行動(社会行動やODBA:動物の加速度など)、年齢や性別、環境エンリッチメント(5項目)、トレーニングプログラム(5項目)、飼育環境(9項目)などを変数とした詳細なデータが収集され、行動を基にした動物福祉指標とどのように関連しているのか調査された結果の相関関係図が示された
・具体的結果の一つとして、ハンドウイルカおよびミナミハンドウイルカにおいては、環境エンリッチメントプログラムと社会的管理の要因が、飼育環境の特性よりも、ポジティブな福祉を示す可能性が高い行動とより強く関連していることが示唆された
※下記サイトで全文閲覧可能
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