ワオキツネザルのエンリッチメント、屋外と屋内で異なる結果(科学誌)

J. Zool. Bot. Gard
(120秒でいうと)
・ベルギー、ZOO Planckendael(動物園)で飼育されているワオキツネザルにおいて、エンリッチメントにおける屋内および屋外の効果を比較する研究結果が発表された
・対象は6頭のワオキツネザルで、天候条件が悪くなければ、屋内と屋外で往来が可能になっており、屋外ではクロキツネザルとエリアを共有していた
・エンリッチメント器具は、様々な行動を対象として選択され、チューブスイング、ボトルパズルフィーダー、ハンモック、バスケットが用いられ、香りを用いるために植物の繊維で作成された袋状の器具も作成された
・毎日、ワオキツネザルに、2つの異なる種類のエンリッチメントを提供し、また、競争を避けるために同時に合計4つの器具を提供した
・観察の結果、エンリッチメントの種類および飼育場(屋外か、屋内か)の両方の影響を受けたが、エンリッチメントの効果は、それが提供された飼育場によって異なる結果となった
・飼育場のタイプはワオキツネザルの行動に大きな影響を与え、今回のケースでは、屋外の飼育場では活動レベルが増加し、グルーミングなどのセルフケア行動は減少した
・飼育場のタイプが行動に影響した要因としては、屋外飼育場のサイズと環境の複雑さが関連した可能性がある
・今回のケースでは、屋外飼育場へのアクセスが確保できない場合、屋内飼育場に十分な環境の複雑さとバリエーションを提供することが重要になることが示唆された
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