人工的な音環境と飼育下の鳥類の福祉

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(60秒でいうと)

・音環境と飼育下の鳥類の行動についての研究結果が科学誌「Behavioural Processes」に掲載された

・動物園など飼育下の野生動物は、飼育や来場者、隣接する飼育動物などによる人工的な音環境に晒されており、それらは自然下の音とは異なる行動(反応)を誘発するかもしれない

・音に対応して影響される動物の行動(反応)は、音環境がその動物の福祉へどのように影響するかを考えるうえで有用な情報となる可能性がある

・研究対象となった動物園は、イギリスのBristol Zoo Gardens (動物園) とPaignton Zoo Environmental Park(動物園)で、オオフラミンゴ56羽、チリーフラミンゴ53羽が屋外飼育の鳥類として、オウギバト、ソデグロバト、ヒムネバト、アカハラシキチョウ、オアストラリアイシチドリ、レンジャクバト、ウォンガバト、カンムリシギダチョウがウォークスルー形式による屋内飼育の鳥類として対象となった

・来場者数や気象(気温、湿度など)を変数として考慮しながら、音環境を記録し、エソグラムによる行動記録を1分間隔で行った(10:00、11:00、12:00、14:00、15:00の20分間)

・フラミンゴでは音環境の変化による警戒行動の増加はみられなかったが、屋内飼育の種では、来場者の増加や音環境の変化によって警戒行動が増加したものがみとめられた

・動物園は、複数の種を同じ飼育場で混合飼育する場合、音環境の測定や来場者の影響などを考慮する必要があることが示唆された

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