犬の安楽殺と自然死では何が違う?
Nature
(60秒でいうと)
・犬における安楽殺と自然死の病態の違いなどを比較したコホート研究の結果が、科学誌「Scientific Reports」で発表されていた
・2016年にイギリスで獣医療を受けている905,544頭の犬のデータから、データ共有システムのVetCompassよりランダムに抽出されたデータを利用した
・抽出された死亡犬のうち、26,676頭(89.3%)が安楽殺させられ、2,487頭(8.3%)が自然死(サポート無しの死亡)していた
・安楽殺した犬の中で最も共通して記録された病態は、新生物(11.6%)、虚脱(11.1%)、腫瘤(8.0%)および行動障害(7.1%)であった
・自然死した犬の中で最も共通していた病態は、心臓病(19.7%)、外傷(17.0%)であった
・新生物(腫瘍)を基準とした場合のオッズ比(発生しやすさを示す数値)において、安楽殺は自然死に比べて、疾患の影響をもつ病態や障害をもつ確率が高かった
・安楽殺のほうがより高いオッズ比となる因子としては、生活の質の低下、望ましくない行動、脊髄疾患、食欲不振が含まれていた
・安楽殺の追加のリスク因子として、犬種、体重の増加、加齢があった
・自然死のほうがより高いオッズ比となったのは、交通事故などでの外傷性疾患や心臓病があった
・これらの研究結果は、獣医師と飼い主が不測の事態に備えるためのよりよい準備をするのに貢献するという
0コメント